会社の人間関係で一番大事なものを問われたら、私の答えは「家族のような関係」です。
仲が良いというだけの意味ではありません。
家族には、それぞれ役割があります。
親には親の、兄や姉にはそれぞれ異なる役割があります。
下の子が困っていれば上の子が面倒を見、親は自分が我慢してでも子どもに食べさせる。
優しさと厳しさの共存です。
会社も、それに近い関係であってほしいと思います。
上司と部下、先輩と後輩、ベテランと若手、それぞれ役割が異なります。
上に立つ人は、ただ指示を出すだけではなく、部下を守り、育て、時には厳しい指導も必要です。
部下もただ守られるだけではなく、自分の役割を果たし、学び、周りに気を配り、成長していかねばなりません。
優しさだけで人は育たず、厳しさだけでも人はついてきません。
大事なのはバランスです。
仕事を離れた場面でも同様です。
たとえばゴルフ、良いショットでは機嫌がよいのに、少し失敗するとイライラする人がいます。
この人は何のために来たのかなとさえ思ってしまいます。
プロのトーナメントではないのですから、青空の下で気持ちよくプレーし、仲間と親睦を深める機会なのに、自分の結果だけで不機嫌になってしまう。
そういうところに普段の姿勢が現れます。
社員旅行も同じです。
周囲に気を配っているか、仲間への配慮があるか。
仕事とは違う場面だからこそ、その人らしさが見えるのです。
私の社員評価に対する優先順位は、数字の前に、人として信頼できるかどうかが先です。
彼、彼女なら任せられる。
お客様の前に出しても恥ずかしくない。
後輩たちに堂々と示して欲しい立派な背中を持っている。
そう思えるかどうかです。
会社は友達同士の集まりではありません。
仲が良いことは大切ですが、馴れ合いは厳禁です。
注意すべきことを「まあいいか」で流し、云うべきことを云わなければ、どちらも成長しません。
冒頭で云った「家族のような関係」とは、相手のために云うべきことを云える会社です。
厳しいことも、褒めることも、その人を伸ばすためです。
近すぎても遠すぎても上手くいかないので距離感が難しいのですが、ここに組織づくりの本質があります。